福島隆史のCSRエピソード | 株式会社サステナビリティ会計事務所(SusA)

CSRコンサルタント福島隆史が、CSR報告書の読み方や考え方、 重要な用語の説明やエピソードを毎日更新します。 企業のCSRご担当者の方や、ステークホルダーの皆さまがCSR報告書について知見を深めていただければ幸いです。

*

つくる営みの中にこそ大いなる意義がある

   

私がCSRレポートの制作会社を経営してる理由?

答え)
コンサル会社だけでは儲からず、先細りするのではと行く末を案じたから。

ご推察の通りです。
周辺領域への進出なくして事業規模の拡張なんてできません。

でも、レポート制作業はコンサルタントの私にとって全くの門外漢でもあり、
そもそも新規事業進出って、
大きなビジネスリスクをはらんでいるのもこれまた世の常識です。

それでもどうでもやりたかったのは、
CSRの世界って、
レポートをつくる、その制作過程にこそ、
大いなる意義があるものと信じていたから、なのです。

たとえば、環境マネジメントの世界では、
ISO14001が、いわば必須のツールです。
外部認証なんて受けなくったって全くかまいませんが、
ISO14001のガイドを参考にしながら、
環境マネジメントシステムを構築し改善していくのが、
いわば環境マネジメントの王道です。

では環境保全よりずっと概念の広い、
CSRの世界では何が必須のツールかっていうと・・・。
昨年秋口に発行されたISO26000でしょうか?
良いことが載ってるガイダンス、とは言えるでしょうけれど、
多くの企業にとって、
ISO26000はCSR推進ツールの第一位にはなりえないと思います。

毎期、レポートを作ること。
これですよ。
CSR推進にとって一番重要な、ダントツ第一位のツールは。
間違いありません。

もっというと、作って読んでもらうことが重要、ではなくて、
作って活用するってことも大切なんだけれど、それよりもっと・・、
作ることそのもの、その制作過程こそが重要、
大人の営み、とでも申しましょうか・・
そんなマニアックな分類に属する特殊なツールであると思っています。

ですから、そんなに簡単に作ってしまわないで、
株主総会までのわずか3カ月間で開示まで持ち込むなんて性急なことも避け、
期中から構想を練って、
決算期末が過ぎ、決算発表が過ぎ、株主総会が過ぎ、
そこからさらに3か月ぐらい後に公表する、、、
じっくり熟成させながら作りこむぐらいのスケジュールでよいと思います。
開示したなら3カ月ほどCSR活動に専念してそのすぐ後にはもう、
次年度のCSRレポートについての検討開始、です。

他の冊子制作物にあるような、

初校、二校、三校、色校、入稿、なんてマイルストーン手順、
CSRレポート制作では守っていただけることもほとんどありません。
企業ご担当者さまと制作会社との間で
日々、修正原稿受領、修正カンプ出しのやりとりの連続です。

どうしてそうなるかっていうと、
CSRレポートの場合、
お客さま企業の内部で関わるプレーヤーの数がものすごく多いからです。
ここのところ私はやむをえないこと、それどころか、
お客さま企業内部でのそういった意見調整過程こそ重要と思っています。

ゆえに制作会社のほうで、
それにおつきあいできる柔軟な体制を持っていることが、
とても重要な与件となります。
そのような柔軟な体制をもちえず、
お客様企業のCSRレポート制作を十分にサポートしえない制作会社が、
少なからずいらっしゃるように、、、
恐縮ですが感じていました。

ご担当者様がどうコンテンツをまとめていってよいか迷われる場合、
方向性提示や思考領域においてご支援させていただけるコンサルタント含め、
柔軟な体制をとれる制作チームユニットがあるならば、
お客様企業ニーズに最大限に応えられる、
そんなふうに考えて、
自身の制作会社を今も運営しています。

おかげさまでSusTBコミュニケーションズ、
設立して第4期が進行中です。

 - 誰も読まないCSR報告書

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