福島隆史のCSRエピソード | 株式会社サステナビリティ会計事務所(SusA)

CSRコンサルタント福島隆史が、CSR報告書の読み方や考え方、 重要な用語の説明やエピソードを毎日更新します。 企業のCSRご担当者の方や、ステークホルダーの皆さまがCSR報告書について知見を深めていただければ幸いです。

*

CSRをPRする

   

一昨日の夜、TVで、ハーバード大のマイケル・サンデル先生が、
震災復興・誰が金を払うのか、をテーマに、
米国、中国、日本の学生とディスカッションを交わしていました。

後半で中心となったテーマは、
原発被害について、誰が補償コストを負担するべきか。
換言すれば、誰が責任を負うべきか。

いろんな興味深い議論が交わされていました。
国民全体の責任、
行政の責任、
電気を利用している人の責任、
東京電力の責任、
現世代と次世代の負担関係、といった話も紹介されていました。
(議論の詳細紹介はここではパスします。)

さぁ、私の次なる行動、
このブログを読んでいただいている方なら、もうおわかりですよね。
東日本大震災からちょうど半年経った昨夜9月11日、
東京電力のCSRレポート(サステナビリティレポート)はどうなっているか、
東京電力側の見解について興味があり、
webで確認してみました。

http://www.tepco.co.jp/index-j.html

現時点の東京電力webHPは、
東日本大震災関連一色。
今の東京電力にとってのCSR報告は、
まさにそこにある、といってよいのでしょう。

でも、従来から毎年継続されてきた、
CSR=サステナビリティレポートの公開は、そこにはない。
サイトマップを見ても、サステナビリティレポートの紹介頁は、
なくなっていました。
昨年、9月に発行されたレポートの編集方針には、
次年版の発行は2011年7月に行うと記載されていましたけれども、
現時点で2011年版は、公表されていません。

ただし一般的な検索エンジンで、
「東京電力 サステナビリティレポート」と入力すると、
昨年版までのサステナビリティレポートの紹介頁、
すぐに確認することができました。
東京電力側のweb対応としては、
とりあえずトップページからのリンクを切っているだけ、
ということですね。

そんな細かなことはともかくとして・・・

本当に企業の社会的責任が問われるような時点では、
自ら取り下げてしまう性質のものが、
CSRレポート、サステナビリティレポート、
なのですよね。

なんだか、滑稽。
いまさら哀しくはないです。慣れてしまっていますから。
過去、こういった類の事例では、
ほぼ、全ての企業がそうしてきたことです。

調子いい時のPRレポートの一種でしかない。

コミュニケーション?
ディスクロージャー?
アカウンタビリティ?
エンゲージメント?
そんなところからCSRレポートの意義を語ることなど、
レポート発行の実態に照らしてみるならば、
ちゃんちゃらおかしい。

そこについては私、以前からずっと開き直っていて、
でも、レポートが果たす次の役割を信じているからこそ、
今もこの世界で仕事を続けようとしています。

毎年レポート開示していくことで、
活動内容が、よりよい方向に変化するきっかけを与えるということ。
企業が少しでも変わり、社会全体がほんのわずかでも変わる。

活動内容が少しでも前に進んだことを、
今年もまた、無事に経年でレポート制作し、開示できたことについて、
=大きな問題を起こさなかったことについて、
ささやかにでも喜びあいましょうよ。

ガタイはでかくとも私のような小人には、
賭ける価値としてそれで十分です。

(6月から再開し、毎週一本は更新します、と言っておきながら、
お休みばかりしていて申し訳ないです。
まさに小人ゆえ、ご容赦ください。)

 - CSRとは何か?

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